ホワイトニング時に生じる痛みの多くは一過性のもので1日程度で治まります。
ホワイトニングの種類は主に
- オフィスホワイトニング
- ホームホワイトニング
- サロンホワイトニング
- セルフホワイトニング
などがあります。
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングは有資格者が処置を行う、または有資格者指導の元自宅で行うものなので、医療行為です。
濃度の高い薬剤を使用でき、歯の表面のペリクルという部分を剥がし漂白するホワイトニング方法であるこれらは知覚過敏のような痛みが生じやすいです。
今回はホワイトニングで知覚過敏になる原因と対処法についてご紹介します。
ホワイトニングの料金に関しても、他の記事でまとめていますので、ぜひご参照ください。
ホワイトニングで知覚過敏になる原因
知覚過敏とは歯ブラシが触れた時に痛みを感じたり、冷たいものや温かいものがしみる症状のことを指します。
ホワイトニングをすることで一時的に知覚過敏の症状がでることがあります。
知覚過敏になる原因には
- ペリクルを剥がして漂白するというホワイトニングの性質のため
- 虫歯や亀裂などがあるため
- ホワイトニングジェルが歯茎に付着したため
などがあげられます。
次で詳しくみていきましょう。
ペリクルを剥がして漂白するから
ホワイトニングは歯の表面にあるペリクルという部分を剥がして漂白することで歯を白くするという仕組みです。
ペリクルは歯を刺激などから保護する役目を担っていますが、ホワイトニングを行うことで、一時的に歯が剥き出しの状態になります。
ペリクルの下にある象牙質(ぞうげしつ)や神経が晒された状態になるので、息を吸うなどの少しの刺激でもズキっというような痛みを感じることがあります。
通常、ホワイトニングによって剥がれたペリクルは24時間程度で再生するので、その後痛みは治まります。
虫歯や亀裂があるなど歯の状態が悪いとしみる
歯に虫歯や亀裂などがあると、ホワイトニングの薬剤が刺激を感じやすいとされている象牙質(象牙質)や神経に直接伝わり、歯がしみたり、痛みを感じることがあります。
ホワイトニングはこのようなトラブルを避けるために虫歯治療を行い、歯に異常がないか確認できてから開始します。
ホワイトニングジェルが歯茎や口内に付着した
ホワイトニングジェルが歯茎などに付着すると痛みを感じることがあります。
歯茎に付着してしまった時はすぐに拭き取れば問題ありませんが、長時間付着してしまった場合、歯茎が白くなったり、炎症を起こす可能性があります。
歯茎についてしまった時は、一度マウスピースを取り外しうがいをして綺麗に洗い流した後、再びホワイトニングジェルを塗ってホワイトニングしてください。
痛みがなくならない時は、ホワイトニングを中断することをおすすめします。
ジェルの量が多過ぎたり、歯の表面の水分をしっかり拭き取れていないとジェルがマウスピースから溢れ出し、歯茎に付着してしまう原因になります。
ジェルの量を少なめにし、歯の表面の水分を拭き取ってからマウスピースを装着するようにしましょう。
ホームホワイトニングはジェルの濃度や時間が合っていない場合も
人によっては、ホワイトニングジェルの濃度が高すぎることが原因でしみるといったことも考えられます。
その時は、歯科医に相談し濃度を下げてもらうことで対応できることがあります。
また、ホームホワイトニングの場合、ホワイトニングを行う時間が長過ぎたりするとしみることがあります。
トラブルにつながる恐れがあるので、ホワイトニングの使用時間は必ず守るようにしましょう。
ホワイトニングの知覚過敏で痛い時の対処法や治し方
ここからはホワイトニングによって知覚過敏の症状が起こった時の対処方法をみていきます。
ホワイトニングのデメリットを先に確認したい方は、別の記事にまとめていますのでご覧ください。
我慢せずにロキソニンなど市販の痛み止めを服用
人によってはホワイトニングに伴う痛みを我慢できなくて辛いという人もいるでしょう。
その場合は、市販の痛み止めを飲んでも大丈夫です。
市販薬で歯の痛みに効果が期待できるのは
- ロキソプロフェン
- イブプロフェン
- アセトアミノフェン
などの成分が配合されている薬です。
代表的なのが
- ロキソニンS
- イブA錠
- タイレノールA
などです。
薬局などで購入できますが、痛み止めを使用する際は、成分、用法・容量を確認し服用するようにしてください。
刺激物・冷たい・熱い飲食物を避ける
ホワイトニング後はペリクルが剥がれている状態なので、歯が刺激を感じやすい状態になっています。
辛い刺激物や、冷たい飲み物、温かい飲み物は避けた方がいいです。
1日経過すればペリクルが再生されますが、ホワイトニング直後は特に食べ物には注意するようにしましょう。
ホワイトニング後の食事でおすすめのメニューとNGメニューは別の記事に詳細をまとめています。
ロキソニンが効かない時は歯医者を受診
ホワイトニングの薬剤によって、歯の神経が炎症を起こしてしまうことがあります。
これを歯髄炎(しずいえん)と呼びます。
ホワイトニングをする歯に虫歯があったり、歯にヒビが入っていると稀に歯髄炎を引き起こします。
軽い炎症であれば、時間をおけば治まるとされていますが、症状が長引いたり歯の神経(歯髄)が死んでしまった時は、抜髄(ばつずい)と呼ばれる神経を取り除く処置が必要となります。
一度神経を抜いてしまった歯は二度と元に戻らず、歯自体がもろくなってしまいます。
このようなトラブルを引き起こさないためにも、ホワイトニングをする時は虫歯や歯の状態をチェックする工程は欠かせません。
また、痛み止めを飲んでも効かない時は、歯髄炎の可能性が考えられますので、そのまま放置せず歯科医に相談するようにしましょう。
知覚過敏用の歯磨き粉を使う
知覚過敏用の歯磨き粉を使うこともホワイトニングで歯がしみる時に効果的です。
硝酸カリウムや乳酸アルミニウムなどの成分が配合されている歯磨き粉を使うのがおすすめです。
- シュミテクト
- 薬用コートアセス
- システマセンシティブ
はドラッグストアなどで購入できるおすすめの知覚過敏用の歯磨き粉です。
しみ止めのジェルを塗る
歯科医院で知覚過敏用のしみ止めを処方されている場合はそれを塗り、処方されていない場合は、市販で購入できるフッ素入りのジェルを塗ることで対応する方法もあります。
フッ素は歯質を強化する効果があるといわれているので、フッ素入りジェルを塗ることで知覚過敏の症状を軽減できることがあります。
- システマ SP-T ジェル
- Check-Up gel
などがおすすめです。
ホワイトニング前にフッ素入りジェルを歯に塗布してホワイトニングへと進みます。
ホワイトニングジェルの濃度を見直す
ホワイトニングジェルの濃度が高すぎるとしみる原因になります。
痛みが続く場合は、濃度が合っていないことが考えられますので、速やかに担当医に相談するようにしてください。
ホワイトニングで知覚過敏症になるのを回避するコツ
ホワイトニング前に以下のことに気をつければ、ホワイトニング時に痛みを感じるのを防げる可能性があります。
- 虫歯治療を終えておく
- 事前に痛み止めを服用する
- しみ止めを塗ってもらう
それぞれ詳しくみていきます。
虫歯治療をしてからホワイトニングする
虫歯や、歯が割れている・ヒビがあることが原因でホワイトニング中に強い痛みを感じることがあります。
最悪の場合、歯髄炎になり歯の神経を抜かなければいけない事態も想定されます。
オフィスホワイトニングをする時はもちろん、ホームホワイトニング、セルフホワイトニングをする場合でも必ず、歯の状態をチェックしてもらってからホワイトニングをするようにしてください。
また、事前にチェックを行っても、ホワイトニング時の痛みが続く場合は、なんらかの炎症が歯に起こっていることが考えられます。
異変を感じた時は、ホワイトニングの使用を中断し、歯科医に相談するようにしてください。
ホワイトニング前に痛み止めを服用する
ホワイトニングを一度使用し、痛みが出た場合は、次回から痛み止めを服用してからホワイトニングを行うというのも一つの手です。
しかし痛み止めは痛みを根本的に治すものではないため、飲み過ぎには注意しましょう。
しみ止めを塗ってもらう
オフィスホワイトニングをする時は、ほとんどの場合、ホワイトニング時の痛みを和らげるためしみ止めを塗ることがあります。
オフィスホワイトニングは有資格者しか行えない医療行為であるため、濃度の高い薬剤を使用します。
薬剤の濃度が高いため、刺激を感じやすいので事前にしみ止めを塗ることが多いです。
中にはしみ止めを塗らないクリニックもあるようなので、心配な方は事前にしみ止めを塗ってもらえないか相談するようにしてください。
自宅でも服用できる痛み止めを処方してもらう
ホームホワイトニングはオフィスホワイトニングに比べ、薬剤の濃度は低いですが、それでも刺激を感じる人はいます。
心配な方はしみ止めを処方して欲しい旨を伝えれば処方してもらえますので、相談するようにしてください。
ホワイトニングの知覚過敏に関するよくある疑問・質問
最後にホワイトニング時に生じる知覚過敏の症状についての質問について回答していきます。
ホワイトニングで歯が痛いのはなぜ?
ホワイトニングで歯が痛い理由には主に
- ホワイトニングの効果によってペリクルが剥がれ一時的に痛い
- 薬剤の濃度が高すぎる
- 虫歯や歯が割れている、ヒビが入っている
などがあります。
ペリクルが剥がれたことでの痛みは24時間程度経過すれば、自然と痛みが治まりますので、心配する必要はありません。
しかし、薬剤の濃度が高すぎる、虫歯や歯が割れていることが原因での痛みはホワイトニングの使用の中止をしない限り続くことが考えられます。
虫歯はどんどん進行していきますので、痛みが続く場合は、歯科医に相談し速やかに処置へ移るようにしましょう。
また、薬剤の濃度は低くすることができることがありますので、その旨を担当医に伝えてください。
知覚過敏はどうやったら治るの?
知覚過敏用の歯磨き粉を使用したり、しみ止めを塗ることで症状が緩和することがあります。
歯磨き粉は硝酸カリウムや乳酸アルミニウムなどの成分が配合されている
- シュミテクト
- 薬用コートアセス
- システマセンシティブ
などがおすすめです。
しみ止めはフッ素が配合されているものを選ぶのがいいでしょう。
ホワイトニングの痛みは何日続く?
通常ホワイトニングの痛みは1日程度で落ち着きます。
歯を保護しているペリクルを剥がして漂白するというホワイトニングの作用による痛みなので心配する必要はありませんが、痛みが続く場合は虫歯など他の原因が考えられます。
3〜4日経っても痛みがひかない時は担当医に相談してください。
ホワイトニングしたら何もしなくても痛い?
ホワイトニングをすると、冷たい飲み物や温かい飲み物、刺激物を食べなくてもしみるような痛みを感じることがあります。
歯を保護しているペリクルが剥がれ、息を吸うだけでも刺激が伝わることがあります。
通常、24時間程度で痛みは治まります。
Yahoo!知恵袋にある対処法は効果ある?
ホワイトニングの時の痛みは歯の状態、ホワイトニング剤の濃度、作用時間、使用する光の強さ、発生する熱などによって変わってきます。かなりしみるホワイトニングもありますが、まったくしみないホワイトニングもあります。
下記のページにホワイトニングで歯がしみる原因と対処法が書いてありますので、参考にしてみてください。
引用元:Yahoo!知恵袋
フッ素入りジェルを塗ったり、使用時間を短くする、薬剤の濃度を下げるなどの対処法はホワイトニングで痛みを感じる時の対処法として効果があります。
まとめ
今回はホワイトニングで知覚過敏になる原因と対処法を解説しました。
ホワイトニングは歯の表面を覆っているペリクルを剥がす作用があることから一時的な痛みを感じることがあります。
この痛みは知覚過敏用の歯磨き粉を使用したり、痛み止めを飲むことで対応できます。
しかし、痛みが24時間以上経過しても続いたり、痛み止めが効かない時は虫歯があったり、薬剤の濃度があっていないことが考えられます。
その場合は、無理に使用を続けず、一度歯科医に相談するようにしてください。
ホワイトニングを安全に正しく使用することでトラブルを防ぐことができます。