白くて美しい歯は魅力的です。
せっかくインビザライン矯正をして歯列を綺麗にするなら、同時にホワイトニングをしたいと考える人もいるでしょう。
しかし、インビザライン中のホワイトニングは可能ですが、あまりおすすめできません。
今回は、インビザライン中のホワイトニングをおすすめしない理由や、歯が黄ばんだ時の対処法や、インビザラインとホワイトニングをする時のおすすめの順番などを解説していきます。
インビザラインのマウスピース矯正とホワイトニングは同時にできるがおすすめしない
インビザラインとは、取り外しのできる透明なマウスピースを使った矯正方法のことを指します。
1、2週間程度で新しいマウスピースに交換し、歯を動かします。
インビザラインとホワイトニングは同時にすることは可能ですが、仕上がりや歯への痛みなどを考慮すると、あまりおすすめはしません。
以下で詳しい理由を解説していきます。
矯正で歯が動いて仕上がりが悪くなる
矯正治療中にホワイトニングをすると、色むらができて仕上がりが悪くなることがあります。
例えば、歯が重なって生えている箇所がある場合、歯が重なり合っている後ろの歯にはホワイトニングの薬剤が浸透しづらくなります。
矯正治療を終えて歯が綺麗に並んだ時、しっかりホワイトニングされて白くなった歯と薬剤が浸透せず、あまり白くならなかった歯の差が目立つ可能性があります。
そのため、矯正で綺麗に歯を並べた後に、ホワイトニングをする方が、仕上がりが綺麗になる他、再度色を合わせるためホワイトニングをする手間も省け、効率的ともいいといえるでしょう。
アタッチメントはホワイトニング効果が出ないし色むらになる
ホワイトニングをアタッチメントがついている状態ですると、薬剤がその部分にだけ浸透しづらくなり、効果が出ないことがあります。
矯正治療が完了し、アタッチメントを外した時、色むらがある状態で仕上がってしまい、見た目が悪くなることが考えられます。
アタッチメントとは、マウスピースでしっかり歯を動かすために歯の表面につける突起物のことです。
インビザラインではこのアタッチメントを付ける場合と、つけない場合がありますが、アタッチメントを付ける場合には特に注意が必要です。
ホワイトニング後にマウスピース矯正による刺激の痛みが出る
矯正により歯が動くことで、歯と歯茎の間に隙間ができやすくなります。そこにホワイトニングの薬剤が入ると染みる可能性があります。
ホワイトニングは一時的に歯が敏感な状態になり、少しの刺激でも知覚過敏の症状がでることがあります。
ホワイトニングとインビザラインを同時にすることで、ひどい痛みを招く恐れがあります。
矯正治療中は歯や歯茎の状態が不安定になることを覚えておいてください。
アライナーはホワイトニング用マウスピースとして代用できない
インビザラインで使うマウスピース(アライナー)とホワイトニング用のマウスピースでは目的、用途が異なります。
アライナーを使ってホワイトニングをしようとすると、薬剤が均等に行き渡らなかったり、歯茎に付着してしまうなどのトラブルを招く恐れがあります。
リテーナーでの保定中は可能だがホワイトニング用マウスピースが必要
取り外し可能なリテーナーを使って保定している場合には、ホワイトニングとの併用が可能です。
ただし、リテーナーとホワイトニング用のマウスピースは別で作成するようにしてください。
リテーナーでは十分にホワイトニングができず、効果的ではないためです。
市販のホワイトニング用歯磨き粉はアタッチメントを傷める恐れがある
他にも、市販のホワイトニング用の歯磨き粉を使用する際は注意が必要です。
ホワイトニング用の歯磨き粉に配合されている研磨剤がアタッチメントを傷つけてしまう恐れがあります。
黄ばみが気になるなら歯医者でクリーニングする
インビザライン矯正中に歯の黄ばみが気になる場合は、歯医者でのクリーニングがおすすめです。
歯の表面の汚れや着色が落ちるだけでも、黄ばみが目立たなくなることがあります。
矯正治療中は歯磨きがしづらかったり、歯ブラシでは取りきれない汚れが残っていることがあります。
虫歯や着色汚れによる黄ばみを防ぐためにも、歯医者でのクリーニングはおすすめです。
インビザライン矯正中にマウスピースやアタッチメントの黄ばみを取るホワイトニング方法
インビザラインのマウスピースやアタッチメントは時間の経過とともに、だんだんと黄ばんでくることがあります。
マウスピースやアタッチメントが黄ばんでいると見た目がやはり気になります。
ここからはマウスピースやアタッチメントの黄ばみをとる方法についてご紹介します。
黄ばみや着色汚れはマウスピース専用の洗浄剤を使う
歯磨きをきれいにしたつもりでも、多少の磨き残しはあります。
その状態でマウスピースを装着すると、マウスピースに汚れが付着し徐々に黄ばみや汚れが蓄積されていきます。
毎日のお手入れには、マウスピース専用の洗浄剤を使用するようにしてください。
それでも黄ばみが気になる場合には、ハイターを使用してマウスピースを漂白する方法もあります。
やり方は、少量の漂白剤を水で薄めたものをマウスピースが浸るぐらいの容器に入れ、マウスピースを10分程度つけておきます。
10分程度経過したら、必ず漂白剤をしっかりと洗い流してください。漂白剤は口に入れると危険です。
漂白剤を使うことでマウスピースを痛める可能性があります。
毎日、専用の洗浄剤でお手入れするようにし、それでも黄ばみが気になる時は歯科医にその旨を相談することをおすすめします。
アタッチメントの着色汚れはクリーニングする
アタッチメントをつけると、歯の表面に凹凸ができてしまい、歯磨きがしづらく、汚れがのこってしまうことが考えられます。
アタッチメントの着色汚れが気になる時は、歯医者でクリーニングをすることをおすすめします。
歯医者では細かい部分まで専用の機械を使って掃除をするので、汚れをしっかりと落とすことができます。
先端の細い歯ブラシでお手入れする
マウスピースの凹凸にある部分には汚れが溜まりやすいので、先端が細いブラシで優しく擦って汚れを落とすようにしましょう。
この時、歯磨き粉は使用しないでください。歯磨き粉に配合されている研磨剤がマウスピースを痛める可能性があります。
ホームホワイトニングジェルでマウスピースはホワイトニングできない
ホームホワイトニングに使用するホワイトニングジェルをマウスピースに使用することはできません。
そもそもホワイトニングの薬剤は生きた歯にのみ効果があります。ポリウレタンでできたインビザラインのマウスピースには効果がなく、白くなることはありません。
インビザライン中にホワイトニングの必要をなくすコツ
インビザライン中の歯の黄ばみは、ある程度、防ぐことが可能です。
ホワイトニングの必要をなくすコツをご紹介します。
着色汚れしやすい飲食の後はよく歯を磨く
マウスピースが黄ばむ理由の一つに、歯に汚れが残っている状態でマウスピースを装着してしまうということがあります。
特に、コーヒーやワイン、カレーなど色の濃いものを口にした後に歯磨きが十分にできていないとマウスピースが黄ばみやすくなってしまいます。
基本的には、飲食の後はしっかりと歯磨きをするようにし、もしもすぐに歯磨きができない状態のときには、マウスピースを装着する前に水で口をゆすぐようにしてできる限り清潔な状態を保つようにしてください。
日々のお手入れでマウスピースの黄ばみをなるべく防ぐことができます。
マウスピースを装着したまま飲食しない
飲食の際は必ずマウスピースを外すようにしてください。
マウスピースを装着したまま飲食をすると、マウスピースが変形するだけでなく、汚れや黄ばみの原因になります。
もしもマウスピースをしたまま何かを口にしてしまった場合は、速やかにマウスピースを取り外し、水ですすいだり、ウェットティッシュなどで拭き取るようにしてください。
インビザラインのホワイトニングに関するよくある質問
最後に、インビザライン中にホワイトニングをしたい時によくある質問をみていきます。
歯科矯正とホワイトニングはどっちが先の方がいい?
先に矯正治療することをおすすめします。
矯正中は、歯に矯正装置をつけるため、通常時より歯磨きがしづらく汚れが残りやすいです。汚れが残ることで着色しやすくなるので、せっかくホワイトニングをしたのに、矯正中に歯が黄ばんでしまう可能性が考えられます。
矯正で歯を綺麗に整えてから、ホワイトニングをする方がいいでしょう。
インビザラインのマウスピースでホワイトニングできる?
インビザラインのマウスピースでホワイトニングをすることは可能ですが、推奨はできません。
そもそもインビザラインのマウスピースとホワイトニングのマウスピースは使用目的が違うため、ホワイトニングをするのに向いていません。
色ムラになったり、歯茎にトラブルが起こる恐れがありますので、矯正治療後にホワイトニングをすることをおすすめします。
リテーナーはホワイトニングできる?
保定期間中は、取り外しができるタイプのリテーナーを使用している場合に限り、ホワイトニングをすることができます。
しかし、その場合はリテーナーとホワイトニングのマウスピースは歯医者で別々に作成するようにしましょう。
リテーナーに使うマウスピースと、ホワイトニング用のマウスピースは違うためです。
まとめ
インビザラインとホワイトニングは同時にすることは可能ですが、推奨はできません。
インビザラインに使うマウスピースとホワイトニング用のマウスピースは用途がちがうため、薬剤が行き渡らない、歯茎に薬剤が付着してしまうなどのトラブルが起こる恐れがあります。
インビザライン中に、歯の黄ばみや汚れが気になる場合は、歯医者でのクリーニングをしたり、マウスピースのケアをしっかり行うことで、黄ばみにくくすることができます。
他にもインビザライン中に気をつけたいお手入れ方法などを解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。