ホワイトニングは天然の歯のみ白くすることができるため、人工物である差し歯はホワイトニングで白くすることはできません。
では「前歯の差し歯が一本だけ黄ばんでいて気になる」「大事なイベント前で差し歯のある歯を綺麗にしたいけどどうしたらいいの?」と悩む方はどうしたらいいのでしょうか。
今回は、差し歯の黄ばみが気になる時の対処法と、差し歯の黄ばみをとるためのNG行為などをご紹介します。
差し歯はホワイトニングできない
まず、差し歯とは虫歯などが原因で神経を抜いた歯に対して、コアと呼ばれる土台を立て、上から被せ物をするという治療法です。
大きな虫歯や怪我などで歯の大部分を失ってしまうと、その上から被せ物をつけてもすぐに取れてしまうため、土台(コア)を使って補強します。
神経を失った歯はとてももろくなってしまうので、コアがあることで咀嚼や食いしばりなどの強い力が加わっても歯が折れないようにしています。
コアの種類には金属でできたメタルコア、グラスファイバーのピンを軸にして周りを歯科用のプラスチックであるレジンで固めるファイバーコアなどがあります。
上から被せ物をするため、コアは人の目に触れませんが、材質によってしなやかさがあるもの、耐久性などが異なります。
被せ物には
- レジン
- セラミック
- ハイブリッドセラミック
- ジルコニア
- メタルボンド
などがあり、レジン以外は保険適用外となっています。
見た目が良く、汚れがつきにくいものは自費診療となり高額になります。
この中でもレジンは吸水性が良いため、時間の経過とともに黄ばみやすいです。
黄ばむ原因には、カレーやコーヒー、ワインなどの色の濃いものを口にした後、長時間汚れが差し歯に付着している状態が続くことや、たばこなどがあげられます。
ホワイトニングは差し歯に効果がないから黄ばみを取る方法にならない
レジンには目には見えない小さな穴がたくさんあり、色の濃い食べ物などに多く含まれる着色成分がこの穴に入り込んでしまうので、歯ブラシが届かず、歯の表面に着色汚れが溜まってしまい、変色を感じる原因になります。
ホワイトニングは、歯の表面のエナメル質という部分に作用し歯を白くしますが、レジンでできた差し歯にはエナメル質が存在しないため効果がありません。
きれいにしたい差し歯は交換する
差し歯を白くするには、差し歯自体を新しいものに交換するしかありません。
差し歯の種類別の値段は以下のようになっています。
種類 | 値段(一本あたり) |
---|---|
レジン | 5,000〜8,000円 |
セラミック | 8万〜20万 |
ハイブリッドセラミック | 5万〜13万 |
ジルコニア | 10万〜20万 |
メタルボンド | 8万〜17万 |
保険がきくレジンは比較的安価となっていますが、材質的に着色しやすいという特徴があります。
セラミックは天然の歯のような白さをもっていて、耐久性もレジンに比べ高いですが、保険がきかず一本8万〜20万と高額になっています。
差し歯をホワイトニング以外で白くする方法は?
ホワイトニング以外で歯を白くする方法には以下が挙げられます。
・ホワイトニングサロンのホワイトニングをする
・専用のポリッシャーで磨く
前歯の差し歯1をきれいにしたいなら歯医者のホワイトコートがおすすめ
差し歯を交換せずに、白くしたいという時は、歯医者でできるホワイトコートがおすすめです。
ホワイトコートとは、黄ばみが気になる差し歯の表面に歯科用のプラスチックを塗り光をあてて硬化させるという方法です。
歯の黄ばみを隠し、希望の白さにすることができます。
歯を削る必要がないので、痛みもなく一回の通院で治療が完了するのも魅力です。
白さは永久ではないので、時間の経過とともに変色します。白さを保ちたい場合は定期的にホワイトコートを行う必要があります。
ホワイトニングサロンは差し歯の黄ばみが取れて白くなる
他にも、ホワイトニングサロンでのホワイトニングも差し歯を白くするのに効果的といわれています。
歯医者で行うホワイトニングは強い薬剤を使用する医療行為で、歯のエナメル質に薬剤を浸透させ歯を白くさせるものです。
エナメル質がない差し歯は、薬剤が効かないため白くすることができません。
一方でホワイトニングサロンのホワイトニングは、歯の表面の着色汚れを落とすというクリーニングが目的となるものなので、差し歯についた表面の着色汚れを落とすことに優れています。
差し歯以外の天然の歯を漂白したい場合は、強い薬剤を使用し、歯の内側から白くできる歯医者のホワイトニングの方が効果は高いです。
差し歯は専用のポリッシャーで磨くと白く保つ事ができる
他にも歯の黄ばみをとるために、歯医者でのクリーニングに使われるポリッシャーと呼ばれる機械を使うことも効果的です。
細かいパウダーと水をジェット噴射し歯の表面についた汚れを歯を傷つけることなく落とすことができます。
定期的にポリッシャーなどの専用の機械を使い、普段のブラッシングでは取りきれない汚れを落とすことで、差し歯の白さを保つことができます。
差し歯をホワイトニング以外で白くする方法でNGなのは?
逆に、差し歯をホワイトニングするためにやってはいけないことを確認していきます。
ネット上には差し歯を白くするために、市販のホワイトニングマニキュアや激落くん・重曹を使うなどの方法がみられます。
結論からいうと、このようなセルフケアはおすすめできません。
市販のホワイトニングマニキュアは色むらが目立つ
歯の表面に白い塗料を塗ることで歯を白く見せるホワイトニングマニキュアというものが販売されています。
歯医者に行かなくても自宅で塗ることができて、手軽で安価な点が魅力ですが、均一に塗るのが難しいです。
歯の表面は肉眼では均一に見えても実際には凹凸があるため、傷が深い部分に液が溜まってしまい、色ムラができてしまいます。
持ちも短く、綺麗な仕上がりにならないため、ホワイトニングマニキュアで歯を白く見せることは難しいでしょう。
激落ちくんや重曹は差し歯の表面を傷めて色素沈着の原因になる
激落ちくんや重曹を使って差し歯の黄ばみを落とすという方法があるといわれていますが、これらの方法は差し歯の表面を傷つけてしまう恐れがあります。
歯科専用の商品ではありませんし、差し歯を白くすることはできません。
差し歯の表面が傷つくと、傷に汚れがたまり色素沈着の原因になります。
余計に差し歯の黄ばみが目立つことも考えられますので使用しないでください。
セルフホワイトニングで歯の黄ばみを取りたいという方には別の記事で詳しくまとめていますので、ご参照ください。
差し歯のホワイトニング関してよくある質問
最後に差し歯のホワイトニングに関するよくある質問に回答していきます。
・差し歯の磨き方は?
・差し歯は何年もつ?
・セルフホワイトニングの場合、差し歯はどうする?
差し歯はホワイトニングできる?
差し歯をホワイトニングすることはできません。
歯科医で行うホワイトニング薬剤は歯のエナメル質という部分に作用し、歯を白くします。
差し歯にはエナメル質がないため、ホワイトニングで白くすることはできません。
差し歯の磨き方は?
差し歯は強い力をかけて磨くと、外れてしまう恐れがあるので優しくブラッシングしてください。
差し歯と歯茎の隙間は汚れが溜まりやすいので、部分磨き用の歯ブラシなどを使って丁寧に磨くのもいいでしょう。
日々のブラッシングではなかなか取りきれない汚れもあるので、歯医者での定期的なクリーニングも効果的です。
差し歯は何年もつのか?
差し歯の寿命は、保険診療のレジンであれば7〜10年、セラミックなどの自由診療のものは10〜20年といわれています。
セルフホワイトニングの場合差し歯はどうする?
差し歯があってもセルフホワイトニングをすることは可能です。
差し歯の黄ばみがそこまでひどくないようでしたら、歯の表面の着色汚れを落とす作用があるセルフホワイトニングは効果的といえます。
しかし、差し歯以外の天然の歯との色むらがでることがありますので、色のトーンやトラブルにも対応してくれる歯科医のもとでホワイトニングをすることをおすすめします。
差し歯のホワイトニングに対する知恵袋の回答は?
差し歯のホワイトニングに関する、知恵袋の回答を確認します。
差し歯はホワイトニングできず、天然の歯との色むらが気になる場合は、差し歯を新しいものに作り替える方法しかありません。
保険適用内での作り替えは5,000円〜10,000円程度、保険適用外であれば10万〜15万程度で、値段は使用する差し歯の材質によって異なります。
変色しにくく、審美性(見た目が良い)に優れているのはセラミックですが、保険適用外で高額になります。
差し歯を白くする歯磨き粉でおすすめは?
ヒドロキシアパタイト、ポリリン酸Na、メタリン酸Naなどの成分が配合された歯磨き粉がおすすめです。
結論|差し歯はホワイトニングできない!きれいにしたい場合は歯医者に相談
差し歯はホワイトニングすることはできません。
差し歯と天然の歯は構造が違うため、ホワイトニングの薬剤が差し歯には効果がないからだといわれています。
差し歯を白くしたい場合は、差し歯を新しいものに取り替えるという方法が最も理想の白さを長期間保つのにはおすすめです。
他にも応急処置的にできるホワイトコートを塗る方法などを解説していますので、差し歯の着色が気になる時の参考になれば嬉しいです。