ホワイトニングには「オフィスホワイトニング」「ホームホワイトニング」「セルフホワイトニング」などいくつかの種類があります。
一部のホワイトニング薬剤には、強い成分が含まれていますので、使用時に注意が必要な人がいます。
今回は、ホワイトニングできない人の特徴や、ホワイトニング以外で歯を白く見せる方法などをご紹介していきます。
ホワイトニングできない人がホワイトニングしないほうがいい理由
オフィスホワイトニングやホームホワイトニング、一部のセルフホワイトニングの商品には「過酸化水素」や「過酸化尿素」が含まれています。
これらの成分は安全性が確認されていますが、強い薬剤のため次にあげるような人がホワイトニングを行うとトラブルが発生したりすることがあります。
- 知覚過敏や歯周病、虫歯がある
- 詰め物が多い
- 矯正中
- 妊娠中、授乳中
- 無カタラーゼ症
- 光アレルギー
- 呼吸器疾患
- 18歳未満
知覚過敏や歯周病・虫歯がある
知覚過敏の症状がある人や虫歯がある人がホワイトニングをすると強い痛みがでることがあります。
健康な歯に薬剤を使用することは問題ありませんが、虫歯で歯に穴が空いていたり、歯周病で歯茎に炎症があるとホワイトニングの薬剤の刺激を受けやすくなります。
知覚過敏の人も同様、薬剤が触れるとピリッとした痛みがでることがあります。
知覚過敏や歯周病・虫歯がある人は、治療を終えてからホワイトニングをするようにしてください。
詰め物が多い
ホワイトニングの薬剤は生きた歯にのみ作用します。
そのため人工物である詰め物や差し歯などにホワイトニングをしても白くなることはありません。
詰め物が多く口にある状態でホワイトニングをすると、天然の歯との色むらがでてしまいます。
詰め物が多い場合でホワイトニングをしたい時は、まずは天然のホワイトニングを行い、白くなった天然の歯に合わせたトーンで詰め物を作り直す方法がおすすめです。
こうすることで詰め物と天然の歯との色むらがなくなり、歯全体をトーンアップさせることができます。
矯正中である
ワイヤー矯正の場合、歯の表面に矯正器具をつけるため、薬剤をうまく浸透させることができません。
ホワイトニング効果が十分に得られず、仕上がりがムラになるのでワイヤー矯正が終了してからホワイトニングをするようにしましょう。
ただし、歯の裏側につける裏側矯正(舌側矯正)であればオフィスホワイトニングに限り、同時にすることができます。
マウスピース矯正の場合、マウスピースは取り外し可能なため、同時にホワイトニングをすることは可能です。
しかし矯正中は歯が動くことで歯茎と歯の間に隙間ができやすく、薬剤の刺激を受けやすくなります。
他にも、アタッチメントがついていたり歯のがたつきが大きい場合にホワイトニングを行うと色むらになることがあります。
矯正治療を終えてからホワイトニングをするという順番の方が安全で効率的といえるでしょう。
妊娠中・授乳中
妊娠中や授乳中の方はホワイトニングは避けましょう。
ホワイトニング薬剤に含まれる過酸化水素や過酸化尿素が胎児に影響を与える可能性があるといわれているためです。
妊娠中や授乳中はホルモンバランスの影響から、虫歯になりやすい時期でもあります。
安全にホワイトニングを行うためにも、出産・授乳を終えてからホワイトニングするようにしましょう。
無カタラーゼ症
無カタラーゼ症の方は絶対にホワイトニングをしないでください。
無カタラーゼとは体内に過酸化水素を分解するための酵素がないことを指します。
過酸化水素はホワイトニング薬剤の主成分であるため、無カタラーゼ症の方がホワイトニングを行うと口内がひどく荒れる可能性があります。
光アレルギー
オフィスホワイトニングではホワイトニング時に光を照射しますので、光アレルギーの方はアレルギー反応を起こすことがあります。
光アレルギーの方は光を使用しないホームホワイトニングを選ぶようにしましょう。
呼吸器疾患
呼吸器疾患の方は、ホワイトニング薬剤からでる微量のガスにより、喘息などの発作が起こる可能性があります。
ホワイトニングは避けるようにしてください。
18歳未満
歯の形成が終わっていないと薬剤の影響を受けやすくなる可能性があります。
18歳未満の方はホワイトニングは避けた方がいいといわれています。
ホワイトニングできない人がホワイトニングしたい場合にやる事
ホワイトニングができない人は以下の方法であれば、ホワイトニング時の痛みを避けることができたり、歯を白くすることが可能です。
矯正治療や知覚過敏・虫歯治療を先にする
虫歯治療や知覚過敏などの口のトラブルの治療は最優先し、口内環境が整ってからにホワイトニングを行うようにしましょう。
痛みや色むらが起こりにくく、安全にホワイトニングをすることができます。
ホワイトニング後に詰め物を変える
ホワイトニングは詰め物には効果がありません。
詰め物が多くある場合でもホワイトニングをしたい時は先にホワイトニングをしてから詰め物を変えることをおすすめします。
ホワイトニングでどのぐらい白くなるかは個人差があるため、天然の歯を理想の白さまでホワイトニングした後、色を確認しながら詰め物の色のトーンを合わせるほうがいいためです。
クリーニングする
ホワイトニングをできない場合でも、歯の表面の着色汚れを落とすことで多少のトーンアップは期待できます。
歯医者でのクリーニングは歯ブラシでは取りきれない汚れをきれいに落とすことができるので、定期的にクリーニングをすることで歯の白さを保つことができます。
市販のホワイトニングケア用品を使って歯の手入れをする
市販のホワイトニングケア用品には過酸化水素などの強い成分が含まれていることはありません。
体に影響を与える可能性がある強い薬剤は、医療機関でしか取り扱いできないためです。
市販の商品を使って日々のケアをするのも歯を白く保つためにおすすめの方法です。
ホワイトニングできない人が歯を白くする方法
ではホワイトニングができない人は、歯を白くしたい場合どうすればいいのでしょうか。
ホワイトニング以外にも歯を白く見せることは可能です。
いくつか方法がありますので、ご自身のライフスタイルに合った方法を見つけてみてください。
ホワイトニングサロン
ホワイトニングサロンのホワイトニングは歯の表面の汚れを浮かして落とす効果があるので、歯の黄ばみに効果的と言えます。
ホワイトニングサロンとオフィスホワイトニング・ホームホワイトニングの大きな違いは薬剤の成分です。
歯科クリニックのホワイトニングで使用する過酸化水素などの強い薬剤は、ホワイトニングサロンでは使用することはできません。
その代わりに、国家資格を持っていなくても使用できる酸化チタンなどの成分が配合されている薬剤を使用します。
ホワイトニングサロンでは、歯の漂白をすることはできませんが、着色汚れやくすみなどには効果的です。
ホワイトニングサロンでも光を照射するタイプのホワイトニングを実施しているサロンもあります。
光アレルギーの方は施術が受けられない場合がありますので注意が必要です。
ホワイトコート
ホワイトコートとは歯の表面に歯科用のプラスチックを塗ることで、歯を白く見せる方法です。
虫歯治療などにも使用されるプラスチックなので、ホワイトニングができない人でも挑戦できます。
ホワイトコートはほとんどの場合、一度の治療で完了するので通院の負担も最小限です。
但し、ホワイトコートもホワイトニングと同様、白さは永久ではありません。
一般的にホワイトコートの色のもちは1〜3ヶ月程度と言われていますので、定期的に塗り直しをする必要があります。
ラミネートべニア
ラミネートベニアとは歯の表面を少しだけ削り、そこにセラミックでできた人口の歯を貼り付ける方法です。
ホワイトコートよりも色もちが良く、強度もありますので、10年以上使用できるというメリットがあります。
セラミック治療
歯を大きく削り、歯全体をセラミックでできた被せ物で多い、歯を白く見せる方法もあります。
セラミックは自然な歯と同じような透明感があり、審美性に優れています。
被せ物をつけるため、歯を大きく削る必要があるのでセラミックをする際は慎重に検討する必要があります。
セルフホワイトニングできない人の特徴と白くなりやすい人の違い
以下の条件に当てはまる人は、セルフホワイトニングが向いていないため、オフィスホワイトニングをおすすめします。
- 薬剤の塗布量や時間を守れない
- 薬剤やマウスピースの管理ができない
また、ホワイトニングで白くなりにくい人は
- 歯並びが極端に悪い
- 薬剤の濃度、マウスピースが合っていない
- こまめな歯磨き、飲食物の管理ができない
などの特徴があります。
また、ホワイトニングで白くなりやすい人とそうでない人の特徴をご紹介します。
ホワイトニングジェルの塗布量や時間を守れない
セルフホワイトニングでは、薬剤の使用量や使用時間を守らなければトラブルに繋がる恐れがあります。
健康な歯を傷つけてしまったり、歯茎に炎症が起こることが考えられます。
しっかりと使用上のルールを守り、異変があったときには、歯科医に相談するなどの対処する必要があります。
ルールを守ることのできる自信がない人は、全て管理してもらえるオフィスホワイトニングの方が向いているでしょう。
歯並びが極端に悪い
どんな歯並びでもホワイトニングをすることはできますが、極端に歯並びが悪いと、薬剤が均等に行き渡らず、色むらになったり効果が出にくいことがあります。
歯並びによってはマウスピースが装着しづらいことがあります。
薬剤の濃度やマウスピースが自分に合わない
ホワイトニングの薬剤の濃度が低すぎると効果が出るまでに時間がかかり、反対に濃度が高すぎると歯がしみるため、使用を中断しなければいけないことがあります。
マウスピースが合っていないと、均等に薬剤が行き渡らず、効果が半減することも考えられます。
薬剤やマウスピースの管理ができない
セルフホワイトニングでは、薬剤やマウスピースを自分で管理する必要があります。
薬剤は使用期限内に使いきり、冷暗所で保存する、マウスピースは使い終わったらその都度きれいに掃除をしておく必要があります。
安全にセルフホワイトニングをするためには、自己管理ができる人が向いています。
こまめな歯磨きや飲食物の配慮ができない
ホワイトニングは、白さを持続するためにこまめな歯磨きや飲食物に注意を払う必要があります。
飲食後に歯磨きを怠り、長時間歯の表面に汚れが残っていると黄ばみの原因になります。
せっかくホワイトニングをしても、白さを持続できないことがあります。
またホワイトニング期間中は色の濃い食べ物や飲み物を避ける必要があります。
ホワイトニングできない人の気になる疑問・質問
最後に、ホワイトニングできない人についての疑問や質問をみていきます。
知覚過敏だけどホワイトニングしたい場合はどうしたらいい?
しみ止めを塗ったり、知覚過敏の治療を行った上でホワイトニングをするようにしてください。
ホワイトニングの時間を短くしたり、薬剤の濃度を下げるなどで対応すれば、知覚過敏でもホワイトニングができる場合がありますので、歯科医に相談してください。
症状によってはホワイトニングをすることで知覚過敏がひどくなることがあります。
あまりにもひどい知覚過敏であればホワイトニング時に強い痛みがでることがありますので、その場合はおすすめできません。
無カタラーゼ症とは?
無カタラーゼとは体内に過酸化水素を分解するための酵素がないことを指します。
ホワイトニングの薬剤には過酸化水素を含みますので、無カタラーゼ症の方がホワイトニングを行うと、口内が荒れることがあります。
ホワイトニングできない人はセルフホワイトニングもできない?
場合によってはセルフホワイトニングできる場合があります。
ただし、無カタラーゼ症、妊娠中・授乳中の方はできないことがありますので、歯科医と相談するようにしてください。
ホワイトニングで後悔するって本当?
ホワイトニングは歯科医の指導の元、ルールを守って行えば危険なものではありません。
しかし、ルールを守らなかったり、自己判断で使用を続けると歯や歯茎が傷ついてしまうことがあります。
まとめ
今回はホワイトニングできない人の特徴や、ホワイトニング以外の歯を白くする方法についてご紹介しました。
ホワイトニングを避けた方がいい人がホワイトニングをしてしまうと、効果が出ない以外にも、アレルギー反応や体に良くない症状がでてしまうことがありますので、該当の方は注意してください。
しかし、ホワイトニング以外にも歯を白くする方法はありますので、ご自身に合ったものを見つけてみてくださいね。