白い美しい歯は、会話の時や、笑った時に相手に清潔な印象を与えます。
白い歯に憧れるものの、ホワイトニングは歯がしみたり、傷んだりしてしまうのではと不安に思う方は多くいらっしゃいます。
ホワイトニングは、歯にとってよくないものというイメージを持っている方は実は多いのかもしれません。
結論から言うと、ホワイトニングは歯に悪いわけではありません。歯医者で適切なホワイトニングを行えば、口内環境の改善が期待できます。
それではなぜ、ホワイトニングをやるのは危険だと思ってしまうのでしょうか?
今回は、ホワイトニングするのに勇気がでない人や、不安を感じる方向けにホワイトニングの仕組みや、歯によくないと感じる原因について解説します。
ホワイトニングで後悔しないためにも、ホワイトニングのデメリットもしっかりと把握してから行うようにしましょう。
ホワイトニングが歯に悪いと思われている理由
ホワイトニングは歯によくないと思っている方がいらっしゃいます。
歯が傷つく、歯が弱くなると考える理由は、ホワイトニングの薬剤に使われる成分やホワイトニングで歯を白くするという仕組みにあると考えられます。
以下でホワイトニングで歯に悪影響があると思ってしまう原因について詳しく解説します。
歯がもろくなる
ホワイトニングをすると一時的に歯がもろくなります。
それはホワイトニングの薬剤が歯の表面にあるペリクルという部分を剥がすためです。
ペリクルが剥がれることで薬剤が浸透していき、歯の着色を白くすることができます。
ペリクルは歯の一番外側のエナメル質に存在しており、エナメル質は、歯を外部の刺激から守る役割をしています。
ペリクルが剥がれると歯に直接刺激が伝わりやすくなり、ホワイトニングをした直後は歯が脆くなったと感じることがあります。
しかし、一度剥がれたペリクルは、24時間程度で再生するので、歯が脆くなるのは一時的なもので、特に問題はありません。
歯を傷める
ホワイトニングは、歯を白くするためにエナメル質の構造を変えます。
歯が黄ばむと感じる原因は、エナメル質の奥にある象牙質(ぞうげしつ)と呼ばれる部分が透けて黄色く見えることにあります。
ホワイトニングでエナメル質を透明から白く変化させることで透けにくくさせます。この作用ではエナメル質がザラザラになります。
しかし、唾液に含まれる成分によって歯の再石灰化を促すのでザラザラになった部分を徐々に平らに整えていきますので、歯がずっと傷ついた状態になっているということはありません。
知覚過敏になる
普段はエナメル質が歯の表面を覆うことで、その内側にある象牙質(ぞうげしつ)や神経を守っています。
ホワイトニングの薬剤によりエナメル質にあるペリクルが剥がれてしまうと直接、象牙質や神経に刺激が伝わり、知覚過敏の症状がでることがあります。
知覚過敏の症状はペリクルが再生されれば、ほとんどの場合おさまります。
ホワイトニングをしてから24時間程度は知覚過敏の症状がでますが、それは一時的なものです。
危険性の高いホワイトニングは歯に悪い
市販品は安全だというイメージを持たれている方は多いかもしれませんが、市販品でも使い方を間違えばよくない影響がでることがあります。
間違った方法でホワイトニングを行うことの危険性やデメリットをみていきましょう。
セルフホワイトニング
自宅でできるセルフホワイトニングは、歯科クリニックへの通院の必要がないため、時間のない人には人気のホワイトニング方法です。
セルフホワイトニングには、歯医者でマウスピースを作成し、自宅でホワイトニングができる「ホームホワイトニング」やLEDやジェルなどがキットになっている商品があります。
ホームホワイトニングは歯医者の指導の元、ホワイトニングを相談しながら進めることができ、トラブルがあった時も対応してもらえます。
安全性の高いセルフホワイトニングは「ホームホワイトニング」です。
市販のホワイトニング製品
市販のホワイトニング製品には、歯の黄ばみをとるための消しゴムやマニキュア、歯磨き粉などさまざまな製品が販売されています。
ドラッグストアなどで手に入る製品は、危険性が少ない成分で作られていますが、歯医者で行えるようなホワイトニングの製品と違って歯を白くする効果はありません。
あくまで歯の表面の汚れを落としたり、上から塗料を塗ることで白く見せるものです。
歯を擦って着色を落とすような、歯の消しゴムは強く擦りすぎると歯や歯茎を傷つけたりしますし、ホワイトニングマニキュアは歯茎や唇についてしまうと、なかなか色が落とせず残ってしまうこともあります。
使用の際は、必ず使用方法や用量を守るようにしましょう。
市販のホワイトニング歯磨き粉は私も実際に利用して、歯についていた着色汚れは徐々に除去されていきました。
海外製品や通販商品でのホワイトニング
海外のホワイトニング製品には、市販では取り扱いが禁止されているような強い薬剤が使用されていることがあります。
歯科医師や歯科衛生士しか使用が認められていない過酸化水素が高濃度で配合されているものもあります。
人によっては使用することでひどい痛みを感じたり、知覚過敏の症状がでることもあります。
歯が傷ついてしまうことも考えられますので、濃度が低いものを選んだり、成分をしっかりとチェックしてから使用するようにしてください。
歯医者以外でのホワイトニング施術
歯医者以外のホワイトニング施術にはホワイトニングサロンなどがあります。
中には、店舗に機械と薬剤が用意されており、自分でセルフホワイトニングをするというところもあります。
ホワイトニングサロンには歯医者のような国家資格を持ったプロがいるわけではないので、強い薬剤を使用することはできませんが、使用方法を間違えばトラブルが起こることは十分に考えられます。
通院頻度や、使用時間などを守って安全にホワイトニングをするようにしましょう。
ホワイトニングで歯が悪い状態にならないために気を付ける事
最後にホワイトニングを安全に行うために気をつけるポイントをみていきましょう。
歯医者の方がいい
歯医者でできるホワイトニングがおすすめです。
ホワイトニングができる状態の歯であるかをしっかりと診察してもらえ、ホワイトニング中に不安や疑問があればすぐに相談することができます。
ホワイトニング時に虫歯や歯周病があると痛みを感じることがあるため、事前に歯のチェックをしてもらえると、トラブルを最小限に抑えることができます。自分では健康な歯だと思っていてもヒビが入っていたり、欠けていたりすることもあるためです。
また、セルフホワイトニングをしたい方には、セルフホワイトニングの中でもホームホワイトニングがおすすめです。
歯医者の指導のもと行うので、トラブルがあった時に相談しやすいためです。
ホワイトニングできない人はしない方がいい
ホワイトニング時に我慢できないほどの痛みがある人や、時間がたってもなかなか痛みが治まらない人は無理に使用を続けないようにしましょう。
歯を傷つけてしまう恐れがあります。
歯を白くする方法には、クリーニングで歯の表面の汚れを落としたり、ホワイトニング効果のある歯磨き粉を使うなどで対応することもできます。
知恵袋で後悔した失敗談は鵜吞みにせず参考程度に見る
ネットには、ホワイトニングを経験して失敗した経験談などを目にします。
同じトラブルにならないように、気をつけたり事前対策をするのはいいですが、人それぞれ口腔内の状況は異なります。
そのトラブルが自分に当てはまるかは分かりませんので、気になるときは、担当医にその都度相談し不安を解決するようにしてください。
まとめ|ホワイトニングは歯に悪いわけではない
ホワイトニングは一時的に、歯を保護している部分を剥がすため脆くなります。しかしそれは通常24時間程度で再び保護されて、痛みは治まることがほとんどです。
ホワイトニングは強い薬剤を使用しますが、正しく使用すれば、安全に歯を白くさせることのできるものです。
安全にホワイトニングするには歯医者でのホワイトニングを選んだり、間違った使い方をしないようにルールを守り使用するようにしてください。